ベンダーについて
ベンダーは、名前の通りBend(曲げる)するための工具です。鉄製のガス管などを滑らかに曲げることができます。他にも、空調機を取り付ける時の配管を曲げたり、車のマフラーの加工、テーブルや椅子の足などの曲げ加工に使われています。油圧式ベンダーは、手動と電動の2タイプあります。
手動式ベンダーは、メモリのある丸い部分に管をセットします。左右どの位置から曲げるかによって、使い方が異なります。管の右側から曲げたい場合は、Rマークにして管の左側からの場合は、Lマークを使います。管の曲げたい位置に線を付けて、左右のマークの位置と重なるようにして管をフックにかけます。この時、スライダーハンドルとラッチハンドルの0の位置が合うようにセットすることが大切です。そして、スライダーハンドルをゆっくり曲げて左右のマークが、ラッチハンドルのメモリ90°の所に合わせます。
電動タイプは、ダイヤルで簡単に角度設定ができます。簡単に曲げ加工ができるだけでなく、仕上がりもきれいなのが特徴です。ヘッドを交換して、切断など様々な加工を行うこともできます。ベンダーを使用すると、鉄筋の細かいカスが出てきます。カスが付着したままでベンダーを使用すると精度が落ちてしまいますので、きれいに掃除をして使用しましょう。
ベンダーの賢い選び方
仕事で1日に何度も曲げ加工を行う機会がある場合や大きい管を加工する場合は、電動タイプがおすすめです。疲れない上に、数秒で加工することができるので便利です。手動で無理をして管が折れてしまったり、潰れてしまうと元に戻すことは不可能となりますし、必要以上に材料費がかかってしまいます。
空調器に取り付ける冷媒管は、配管をきれいに隠すように仕上げるのが好まれています。早い作業を行うには、持ち運びが便利な手動式があると非常に重宝します。どのような加工が必要なのか、頻度はどのくらいなのかを考慮して選ぶ必要があります。
・レバーベンダー
エアコンの工事などで冷媒管を折らずにきれいに曲げることができます。
・スプリングベンダー 小さな曲げなど、微妙な加工を要するときに使います。
・直管ベンダー 大きな管を加工する時に使用します。
・タスコ製ベンダー 作業スペースを取らないコンパクトサイズで、様々なサイズの管を加工することができます。
・TAIYO製ベンダー 軽くてコンパクトなので、持ち運びしやすいです。シリンダとポンプが合わさっているので、操作がしやすく便利です。
・アサダ製ベンダー ミニベンダは、小さい管の曲げ加工に便利です。
ベンダーのお手入れ方法
ベンダーは、カスが付着したままだと、サビを招いてしまいます。エアーガンで汚れを飛ばすと、カスが目に入ったりする恐れがありますので、必ず乾いた布などで拭き取るようにします。
・手動式 油量が不足している状態で使用すると、作業効率が低下します。定期的に油量の点検を行います。また、ポンプ内に空気が入ってしまうとハンドルが動かないので、空気が抜けている状態か確認しましょう。作業中に出た鉄などのカスは、丁寧に取り除ききれいにしておかないと、動作が重くなります。また、作動油は、1年に1回ペースで新しいものと交換します。
・電動式 必ず電源が入っていないことを確認してから、お手入れを行います。コードに汚れが付着していたら、きれいに拭き取って下さい。使用したら、機械の表面をブラシなどで掃いて掃除をします。石油などで表面を拭くと、傷みの原因となります。 機械を拭く場合は、乾いた布で拭くか石鹸水で軽く拭きます。水をかけるとサビの原因となりますので止めましょう。 ネジの緩みがないか点検し、緩みがあったら事故防止のために、速やかに締め直します。保管場所は、湿気や高温でない安全な場所で保管します。風窓にゴミが詰まっているとスムーズに動かなくなりますので、気を付けましょう。
超解説!正しい油圧工具の使い方~ベンダー編~
ベンダーとは
ベンダーとは銅・ステンレス・アルミなどの配管をきれいに曲げる工具で、ハンドルを操作して閉じることで捻じ曲げていきます。
チューブベンダーと油圧ベンダーに分けられます。
内径規制管(硬質で肉厚なガス管など)の曲げ加工には、油圧ベンダーを使用します。 チューブベンダーは外径規制管(比較的軟質、薄肉で水道配管などに多用されている)を曲げ加工するのに適しています。
ベンダーを使うときの基本的な手順
1.ハンドルを直線状にして開いておく
基準となるラッチハンドル、動かしていくスライヤーハンドルを持ち、それが一直線になるように開きます。 (機種により一直線ではなく、直角などが「一番開いた状態」である場合もあります。) 機種により異なりますが多くの場合両側のメモリの「ゼロ」同士が合った状態がスタート地点です。
2.パイプの位置を正確に測定してベンダーに通す
そして所定の個所にパイプを通します。この際パイプに接触していく内側の部分にほこりや汚れがついていないこと、パイプの位置がずれて曲げるポイントが変わってしまわないよう注意してください。 パイプの曲げ始める地点にはあらかじめ印をつけるといいでしょう。あとはどの方向に曲げるかによってその「基準点」をどのメモリに合わせるか確認し(機種により違うので説明書等を見てください)、通したパイプをその位置に固定します。
3. ベンダー作業をしていく
スライヤーハンドルを動かして、パイプを曲げていきます。 何度曲げたところで終了するかは、メモリがついているのでそこまでで作業を終了しましょう。 やり直しがきかないのと素材を傷つける可能性があるので、曲げる勢いをつけすぎないよう注意してください。
4. 注意深くパイプを取り外す
ハンドルを初期の位置近くに戻して緩め、曲げたパイプをベンダーから取り除きます。 この時すでにパイプは曲がって形状が変わっているので、完全に初期位置(一直線になった状態)に戻してしまうと逆にパイプに曲げる力をかけてしまう場合もあるので、ゆっくりとハンドルを戻し、パイプを取り外せるようになったら外すのがベストです。
ベンダーを使うときの注意点とは
LマークとRマークの違いに注意。
ベンダー作業は始めてしまえば単純ですが、やり直しや元に戻すことはできません。 パイプをベンダーにセットする作業時点でずれが生じてしまわないようにすることが一番大切です。 特にパイプの基準点を「Lマーク」「Rマーク」「ゼロマーク」のいずれに合わせてセットし曲げていくのかについては、「どこに指定寸法をとって曲げていくのか」ということが直接かかわっています。 説明書などを見て、どうセットするかについては熟知したうえでセットしてください。