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トラクターの売り時ってあるの? ベストタイミングとは
更新日:2021年11月15日
- 本日の
スタッフ
トラクターは安い買い物ではないので、買う時同様、売る時も多いに迷うものです。
実際にうちで中古トラクターの査定・買い取りをさせていただいた方でも
「10年近く売るのを迷っているのですが…」
「ずっと売ろうかどうか迷いましたが決心がつきました」
など、簡単には決断できないのは皆さん当然だな…と常々感じています。
中古トラクターを「いつ売るのか、買い替えるのか」といった売り時については頻繁に相談を受けるのですが、一概に「いつがいい」といった考え方はなかなかできません。
いくつかの物差しで見て、それを組み合わせてトラクターを売るベストタイミングを探っていくことになるので、今回はそれについてお伝えしていきます。
ユーザーの立場に立ったトラクターの売り時とは
まず「ベストの売り時とは何か?」ということについてですが、単に高く売れるときがベストという訳ではありません。
ただ高く売るだけであれば「できるだけ早く売ればいい」ということになるからです。
※現に購入1-2年後のものがごくたまに出回りますがかなり高価な流通価格にもなり、買取る側の都合だけ見ればそうしたものの方がありがたいということになります。
しかし結局使っていく売り手(ユーザー)からすると、
「元を取れるだけトラクターを使いこんだので、この値段でも売れて満足」
「たくさん活躍してもらって、トラクターが古くなってしまった割には高く売れて満足」
というのが本当の満足だと言えます。
ただ高く売れればいいというものではなく、
「自分なりに納得するまで使い込んだ」
「使い込んだ割にはいい値段が付いた」
という2つが最適に両立するタイミングこそが、ユーザーにとって最高のトラクター売却タイミングだと思うのです。
「年季」から見たトラクターの売り時っていつ?
経過年数から見たトラクターの売り時とは
国産の中古トラクターの場合「古さ」についてはかなり許容されている所があり、20年以上前のものや、状態によっては1980年代前後のものまで十分に売ることが可能です。
ただ、20年を超える年季ものの場合ちょっとしたことで完全に使えなくなったり、劣化から極端に価値が下がってしまう危険もあります。
「ぎりぎりまで古くなってから売る」というのはそういうリスクから、一種の「チキンレース」と言えるかもしれませんね(笑)。
古すぎてもふとしたことで買取不可になる危険があり、また新しすぎても乗った時間の「元」が取れない…ということで、そのどちらでもないタイミングを見て、みなさん手放す決断をすることが多いのです。
状態や機種(馬力)などに左右されるので一言では言いづらいのですが、年代だけ見れば10-20年程度で決断される方がボリュームゾーンなので、そこがある意味「売り時」と言えるかもしれませんね。
アワーメーターから見たトラクターの売り時とは
中古トラクターを売る時に意識する「年季」として、もう一つ重要な指標が「アワーメーター」です。
これはどれだけの時間「エンジンがかかっていたか」という時間数になります。
「買ってから年数がたっている割にアワーメーターの数字が少ない」のか、
「買ってからたいして年数がないのにアワーメーターの数字が大きい」のか、
その意味合いで査定価格は大きく左右されますし、「売り時」の参考になります。
アワーメーターはもちろん少ない方が良いのですが、節目となる考え方が2つあります。
1つめは、「馬力×10時間」という考え方で、大きい馬力のトラクターほど運転時間も長持ちする傾向があるということです。
例えば30馬力であれば300時間ということですが、この数字以内にアワーメーターが収まっている場合はかなり良い評価がしてもらえるのではないでしょうか。
そして2つ目は、馬力に関わらず「1000時間」という数字です。
この数字を越えると日本国内では相場が下がりやすくなる傾向があると言われています。
逆にアワーメーターが1000時間を越えたものはコストをかけて海外で販売した方がメリットはあると言われ、その分が評価や買い取り金額に影響しているのかもしれません。
買取査定する際の方針は、もちろん業者さんによってさまざまですし、もちろん1000というのは数字に過ぎません。
ただこれを越えているか、いないかで「古さの印象・評価が変わる」可能性は意識した方がよさそうですね。
買取る側のアワーメーター数値の捉え方については、上記のように1つではありません。
しかし「こうした数字が指標になりやすい」ことを意識して、「うちのトラクター、年季の割に使っているんだろうか?」ということを判断したいものです。
「季節」から見たトラクターの売り時っていつ?
一般的には農繁期の前がベスト
トラクターの話ではないのですが、服の世界でもコートなどの「冬服」は晩秋~初冬にかけてよく売れますし、冬も後半になると「処分セール」ということで値段が大きく下がりますよね。
トラクターなどの農機具についても同じようなことが言えます。
田植え機であれば春、収穫に使うコンバインは秋といったように使う季節がかなり限定されているものであれば、一つ前の季節後半あたりにかなりの需要があります。
(田植え機なら冬後半、コンバインなら夏後半あたりです)
逆に使用する季節の終わった頃や、完全なるオフシーズンであればほとんど動きませんし、そういう時期に売ろうとしても需要に乗って高く売る…ということは難しいかもしれません。
ではトラクターはどうでしょうか。
トラクターは他の農機具と違い、比較的コンスタントに、1年を通して需要があると言われています。
ただまったく波が無いわけではなく使用頻度としては、春や秋が少し多めになります。
年間を通じて他の農機具ほど需要や、相場の変動は大きくないのですがやはり「春」「秋」の前季節(冬・夏)後半に需要が高まる傾向があるようなので、意識してみてはいかがでしょうか。
もう一つ、他の農機具と比べてトラクターならではの特色を言えば「シーズン前に、需要が動き出すのが早め」ということも言えます。
他の小型農機と違いトラクターは、輸送にも、手続きにも、整備にも時間がかかります。
購入してから納品されるまでの時間が長めになってしまうのは大型農機ならではの特色とも言えるでしょう。
このためかトラクターについては、他の農機と比べても「需要が早く到来する傾向がある」「いざ売るのにも時間がかかる」ということを意識した方が良いと思います。
売るのにあまり適していない時期とは?
また季節以外に「こういう時期はあまり売るのに適していない」という要素もあります。
それはトラクターの新製品が出た直後で、さすがにこの時期はいわゆる「型落ち」が起きるため、評価が下がることが予想されます。
(逆にそれを狙って買う人も多いので売れないということでは決してないです)
過去の例を見るとトラクターの新製品は春に発売されることが多いので、その直後にあたってしまわないように注意した方が良いかもしれません。
もし時間があれば、少なくとも同じメーカーの新製品発売については、ある程度時期情報をつかんでおくと参考になるはずです。 そしてその前(発売が春であれば冬など)に売りに出すのがベターと言えるでしょう。
いかがでしたか?
トラクターの売るタイミングについていくつかの物差しをご紹介してきました。
こうした物差しを自分の優先順位で組み合わせた上で、最適なタイミングを決めていただく参考にしていただければと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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