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竹田の部屋

    トラクターの人気メーカーと機種まとめ

    更新日:2021年11月18日

    本日の
    スタッフ
    岡野

     

    農機具の中でも単価が高く、各メーカーが「花形」としてしのぎを削っているのがトラクターです。
    トラクターは他の農機具と違ってシーズンが限定されることがまずありません。
    基本的にともかく「けん引する」道具なので、アタッチメントを取り換えることでオールシーズンにおいていろいろな役目を果たすからです。
    ハローやロータリー、畝立てなどを通じて土壌を整えたり、種の散布をしたり、草刈りなどのメンテナンスや収穫物の処理など、アタッチメント(作業機)と呼ばれる部分を付け替えることによっていろいろな活躍ができます。
    こうしたことからトラクターは活躍する季節が長く、また高い買い物である分各社・機種ごとに特色がはっきりしています。

     

    トラクターが選ばれるポイントとは

     

    選ぶ際最重視されるのは「馬力」です。

     

    トラクターは他の農機などと違い、選ぶ際に参考とされる指標は「馬力」に集中しています。
    メーカーや機種を選ぶ前段階として、ともかく「用途」と「圃場」の2つを意識して必要な馬力を選ぶところからスタートになります。
    3連・4連ブラウなどの大型アタッチメントを使用するのであればその分馬力は必要になりますし、また広大な畑など一度に多くの面積に使用するならなおさら必要です。
    逆に狭めの畑や細かく区切られている水田の場合、馬力はそれほど必要ありません。
     
    「用途」(=アタッチメントの大きさ)
    「圃場」(=耕す面積の広さ)
    この2つを意識して「大体の馬力帯」を絞ります。
    価格について新品トラクターは大雑把に「馬力×10万円が相場」とされていますが、これはかなり正しいです。
    これにどのような機能・アタッチメントが付加されているか意識したうえで最終的に意思決定をしたいものです。

     

    トラクターの人気を分けるポイントとは

     

    トラクターは他の農機以上に、メーカーによってコンセプト(個性)が豊かなので自分の重視するものにあったメーカーかどうか…ということが大切です。
    たとえば「故障しにくい」「環境に優しい」「便利機能が多彩」「メンテナンス環境が充実」といったことが挙げられますが「この企業は特にここが優れている」というポイントがあるのでそれを重視するのも方法です。
     
    またいわゆる「ランニングコスト」もトラクター選びでは重視されます。
    これは収納や整備などにどの程度負担がかかるか意識しておく、ということですが、特に故障した際のメンテナンスが迅速・安価に対応可能かどうかといったことも重要です。
    (この点は国内メーカーのものが優れていると言えます)
    トラクターはちょっとした自動車以上に高い買い物ですから、燃費のほかにこうしたコストも意識した方が良いでしょう。

     

    トラクターの人気メーカーと代表機種

     

    クボタ

     

    クボタは日本のみならず世界でも第2位の売り上げを誇る日本一の農機メーカーです。
    売り上げは2020年時点で年商1兆8500億円と大変な規模なのですが、その7割近くが海外のもので日本の売り上げは3割というところです。 それでも国内の売り上げトップシェアである約35%を占めています。
    トラクターでも10.5馬力の小型から170馬力タイプの大型まで幅広いラインナップをリリースしていますが、そんなクボタのトラクターの特色を一言で言うなら「耐久性」にあると言えそうです。
    実際に中古市場でも30-40年近く前のトラクターでも流通可能なケースがあり、メンテナンスが充実していることと合わせるとかなり手堅いメーカーです。
     
    ラインナップも豊富なクボタのトラクターの人気は甲乙つけがたいのですが、最もオードソックスなものの一つがSlugger(スラッガー)シリーズです。
    型番がSLで始まるこのシリーズは25-50馬力程度と、最も汎用性の高い物ぞろいで、特にSL280 320 350といったシリーズは「直進を極める」ことをコンセプトに直進アシスト機能が充実しています。

     

    ヤンマー

     

    ヤンマーは売上合計約7800億円(2020年)を誇る農機具メーカー大手で、世界ランキングでも5位に入っています。 ヤンマーディーゼルなどのテレビCMや天気予報などで覚えている方も多いと思います。
    元々発動機(エンジン)を専門としていたことからディーゼルエンジンの分野が強いという特徴があり、このことから同社のトラクターに代表される農機具は故障が少ないことに加えて燃費が比較的良い、という特色を持っています。
    また生産者の負担を軽減できる無人運転可能なロボットトラクター、緊急時のブレーキ操作のみを行うオペレーターが運転し、高精度な作業は自動的に行えるオートトラクターも販売しています。
     
    ヤンマーもまた幅広い馬力帯で多くのモデルがありますが、大型トラクターでは最大でも113馬力程度とクボタほどの大馬力のものはありません。
    しかしそれでも、YT5113Aのようにオート仕様やロボット仕様になっていて生産者負担の軽さを図れる個性的な機種もありそれを補うだけの利便性を備えていると言えるでしょう。
    また共通して低騒音・低公害のディーゼルエンジンを導入しています。
    独特の赤いデザイン性の高いボディもファンが多いです。

     

    イセキ(井関農機株式会社)

     

    イセキは愛媛県松山市に本店を持ちつつ東京に本社があり、全国展開している農機メーカーです。
    正式には「井関農機株式会社」で、1926年以来こちらも伝統があるので農機全体では国内2位のヤンマーに次いで、それほど劣らない国内シェアを誇っています。(海外より国内に強いブランドと言えます)
    農機全体としてみると、イセキのものは比較的価格がリーズナブルで軽量のものが多いイメージがあります。
    しかし実はトラクターにおいては(海外並みに)大馬力の商品を販売しており、最大のものはなんと280.1馬力となります。
    (BIG-T7726S)
     
    このBIG-T7700Sシリーズは国内最大級の馬力を誇り、その分大型で広々とした作業空間・視界性・70dBの静粛性で快適作業が可能なキャビンを備えています。
    機能の多彩さや操作性においても、マニアックな人でも満足できる水準となっています。

     

    三菱マヒンドラ農機

     

    三菱マヒンドラ農機は名前の通り三菱系列の、農業機械全般を生産・販売する会社で島根県に本社で、会社としては1980年に設立されたばかりです。
    しかしブランドとしての歴史はそれ以前から佐藤造機株式会社による「サトー」ブランドとしてよく知られており、戦後の高度成長期にはトラクターの分野でも次第に大型のものもリリースするようになっていきました。
    三菱トラクターの特色としては耐久性と安全性をかなり重視し、メンテナンスも手厚いこと、また30馬力までの比較的小型なトラクターのラインナップが充実していることが挙げられるでしょう。
     
    30馬力以下のクラスだけで4つのシリーズがある中、お勧めのものの一つがGJシリーズ。
    GJ240はこのクラスでは最高クラスの旋回アシスト機能が付いており旋回に伴う作業機のトラブルなどを防止しつつ機動的に作業を進めることができます。
    また排気量1496CCのパワフルかつ低騒音・低振動エンジンなので作業性にも定評がある機種となっています。
    これに限らず赤いボディの三菱トラクターは2020年にグッドデザイン賞を受賞したEAGL DESIGNでも有名で、ファンも多いです。

     

    海外メーカーのトラクターも多く流通

     

    また農機の中でもトラクターについては、国産より大型の「海外産トラクター」も多く出回っています。
     
    主なメーカーとしては、
    ○ディア・アンド・カンパニー(米国)…ジョンディアというブランド名で高馬力・大型のトラクターを展開
    ○マッセイ・ファーガソン(米国)…性能の割にシンプルな操作性が特色
    ○フェント(ドイツ)…高額だが広大な土地での使用に最適なモデル
    といったものが代表的です。
     
    総じて大型・高出力のものが多く広大な土地に向くのでそうした環境であれば検討の余地はあるかもしれません。
    その一方でメンテナンスについては国内メーカーほど小回りが利きにくいので注意は必要です。
     
    初めてトラクターの購入を検討されている方は本ページを参考に、まずは馬力帯を絞った後にメーカー選びを進めてみてはいかがでしょうか。
     

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